「……そっか、俺の勘違いならそれでいいんだけど。何かあったら言って?なんでも協力するから」
顔を離して私の頬を大きな綺麗な手で撫でる希夜くんに、またドキドキとして。
希夜くんも私と同じ気持ちだったらいいのに。
なんて。
同居してたまたま話すきっかけができただけに過ぎない私が、簡単に、希夜くんとどうにかなれるわけがない。
男嫌いを理由に克服を手伝ってもらってる分際でそんなことを言うのもやっぱりどうかと思うし。
たまたま好きなお菓子が同じで、偶然好きなキャラクターが同じ。
もし、これが私以外の他の誰かでも、希夜くんは、私に見せてくれたいろんな表情をするのかと思うと、胸が苦しくて。
「……うんっ、ありがとう、希夜くん」
伝えたくてたまらない気持ちをグッと堪えて、笑って見せる。
その瞬間─────



