希夜くん、初めて私が教室に見に行った時は、ほんと、誰も近寄れないオーラを醸し出していたけれど、今は随分変わったんだな。
それを私のおかげと言われて、希夜くんのためになってると思ったら嫌な思いはしないはずなのに、なぜかちょっとだけモヤッとする。
もし、希夜くんに親しい友達がたくさんできてしまったら、それこそ私はもう関われなくなっちゃうかもだし……。
希夜くんの笑った顔は私だけが知ってればいい、なんて、彼女でもないくせにそんな気持ちが押し寄せてきて。
自分が思ってる以上に彼のことを好きになっているのを再確認する。
せっかくふたりで参加してるのに今日はふたりでまともに話した気がしないし。
二見くんにはちょっかい出されるしで。
いろんな思いがぐちゃぐちゃな今、正直、頭がパンクしそう。
そうだ、だからもう早く部屋に帰って──────。
ブーブーブー
ブーブーブー
さっさと寝てしまおう、と部屋に帰る階段を上った時、ジャージのポケットに入ったスマホが震えたので、慌てて取り出して画面を確認する。



