「須永くんのお陰で、花純の苦手が徐々に克服できているのは私も同じ教室にいてわかるから私も彼にはすっごく感謝してる。でも……」
舞子が言葉に詰まるのも無理はない。
こんな話、すんなり受け入れてもらえるわけがないよ。中学の頃、舞子には私の問題のことで色々迷惑かけちゃったもん。
学校を休みがちになるわ、成績は落ちるわで散々だった私。
それをうまくカバーしてくれたのはまぎれもない舞子だった。
それがたった一人の男の子との同居で、変わってしまうなんて。
「ごめんね。舞子にたくさん迷惑かけたのに、今更何言ってるんだって感じだよね」
「はい?迷惑なんて思ったこと一回もないから!それに、今回の同居キッカケに花純の男嫌いがなくなればいいのにって本当に思ってたし、あんな顔面偏差値高男と一つ屋根の下にいてなんとも思わないほうがおかしいの。違う、花純の気持ちを否定してるとかじゃなくて。うん、……多分、ヤキモチ」
「へ?」
舞子の思わぬ言葉に、目が点になる。