来月には、ママがおばあちゃんちから帰ってくるらしいし、何だかんだ順調っちゃ順調なんだけれど。

ママが迎えにきたら、希夜くんとの接点がなくなってしまうと思うと素直に寂しくて。

「花純」

男嫌いだって散々言ってた人が今更何言ってるんだって感じだよね。

「花純!」

「へっ?!」

大きな声に名前を呼ばれてハッとすると、目の前に、頬をプクーッと膨らませた舞子がこちらを睨んでいた。

「なーにをぼーっとしてんのよあんたは!ご飯、全然進んでないっ!人の話も聞かないで!」

指摘されて、今がお昼休み真っ最中で舞妓と一緒に弁当を広げていたのを思い出す。

「あっ、ごめん」

「じーーーー」

そう言って目をギュッと細めてこちらを凝視する舞子。

「な、何?」

「なんか隠してる」

「えっ、」

「白状しなさい花純!あんたが自分から話してくれるまで待つって思ってたけど我慢ならない!王子となんかあったでしょ!」

「うっ……」

口ごもる私を見て、「答えるまで弁当お預け」と弁当箱を取り上げた舞子に観念して、

私は、自分の今の気持ちを正直に舞子に伝えた。