私に教えてくれた"恋"と言うものを。

「あ、いけない。会議あるんだった。じゃあね」




話の続きで慌ただしく出ていった葉ちゃん。




ほんと、落ち着きのない人だ。




私はポケットからスマホを取り出して、SNSをチェックしようと電源を入れたと同時にドアの開く音が聞こえた。




また葉ちゃんがなにか忘れ物をしたのだろうと気に止めていなかったが「せんせー居ないんすか?」と、聞き覚えない声が聞こえたため振り返った。




茶髪でちょっとチャラそうな男子と目が合う。




「今会議って行って出てった。」


「あー、どうも」



「そっか」と小さく呟いた後、帰るのかと思いきや彼は私の横にさりげなく座った。




そして私をじろっと見るなり言う。




「君ってあの高良瀬昴ちゃん?」


(あのって、それにちゃん付け?)


「俺の事知らない?」




自分を指さしてそう問う彼に私は全く見覚えなんてない。




「俺、昴ちゃんと同じクラスで隣の席の新村旭。」


「は、はあ。どうも。」


「なんで保健室なんかに?どっか具合でも悪いのか?」


「別に、なんだっていいでしょ。用ないなら帰ってよ。」


「それは君も一緒だろ。見た感じ具合悪そうでもないし、もしかして……サボり?」




答えるのに面倒くさくなった私はその人をキッと睨み、一言だけ返した。




「関係ないでしょ。」