教室に着くと人はちらほらといた。




私の席は窓側の1番後ろ。




鞄を置き、携帯を取り出しすぐに教室から出る。向かったのは保健室。




保健室のドアに滞在中と書かれてあることを確認しドアノブに手をかけた。




「葉ちゃんおはよう。」




葉ちゃんこと本名茅野葉（かやのよう）は保健室の先生、茶髪のショーヘアーが印象的。唯一学校内で親しいとおける人だ。




彼女もまた私と同じ児童施設で育ってきた、小さい頃はいつも私の面倒を見てくれた姉のような存在。




そんな葉ちゃんは私を見るなり何やらニヤッとした表情を見せる。




この表情をする時は大体めんどくさい事だ。




「ねぇ、昴さっき告白されてたでしょ。」




（ほらきた。）




私は面倒くさそうに「あー、うん。」とだけ。




「それで、返事はどうしたの？」


「断ったよ。」


「えーなんでなんで？」




グイグイと顔を近づける葉ちゃんに私は呆れる。




なんてノーテンキな人だと。




（いい歳してよく高校生の話に興味持てるよ。）




「なんでって……迷惑。大勢の前であんな事されて。」


「じゃあ大勢の前でされなかったらいいって事？」


「そうゆう訳じゃない。」


「も〜、そんな愛想つかしてると彼氏なんか一生出来ないよ。」


「クズ男ばっかり捕まえるに葉ちゃんだけは言われたくないから。」


「も〜そこだって〜」




と、まるで私より精神年齢が低い子供みたいな葉ちゃんのうなり声を聞き流して私は窓の外を眺めた。




1時間目、なんだっけ？