君だったんだよ。

「...」

「...」


彼に言われたままついて行ってるけど無口って...

たしかに話すことないけどさ、一言くらい話そうよ。

くそ、私から話すしかないか。


「あのさ、暴走族って言ってたけど、なんていう名前なの?」

「風魔(ふうま)っていう名前だよ」


え、風魔ってあの有名な暴走族じゃん!!

いくら私でもそれはさすがにだめなんじゃ...


「私が行っても大丈夫なの?総長に聞かないの?」

「ん?俺が風魔の総長だけど?」

「は!?なに、総長なの!?か弱そうなのに...」

「おい、最後は余計だっつーの!か弱そうにしてるのはフリな?」


なんかこういう、じゃれ合うの楽しいな。

でも、もうなくなっちゃったんだよな...


「さっきまで笑ってたのに急に悲しい顔になったな」

「え...?」


うそ、笑ってた?しかも私、顔に出やすいんだった。


「そりゃ悲しいことがあったからね」

「そっか、俺も悲しいことあったよ、だから外に来たんだけど捕まえられちったw」


どうして悲しいことがあったのに、この人は笑って居られるの?

すごい変わった人だな。