「え?なんでって、泣いてたから」


たしかに懐かしくて戻りたくて泣きそうになってた。

でも寝てる時に泣いてた、なんて...


「幼なじみと友達が私の名前を呼ぶ夢を見たの。でも、もう二度と聞けないからちょっとだけ悲しかっただけ」

「まだお前に言ってなかったけど、風魔のみんなはニックネームで呼ぶんだ。俺も雷だけど本名じゃない。みんなもそう。だから本格的に花音が風魔の仲間になるならニックネームを付ける」

「本格的に風魔の仲間になる...か」


風魔の人達は良い人だ。

でも、私が風魔の仲間になったとして他の連中が狙ってきたらみんなに迷惑をかけてしまう。

そうなるとしたらまた居場所を失ってしまう。


「そんなに考えることか?」

「もし仲間になったとして私のせいでみんなを傷つけたくない。だったら仲間にならない方が良いんじゃないかなって」