「これからも、よろしく」

そう言う葉月に、沙月たちはみんな驚いた。しかし、すぐに笑顔で「うん!」と返す。

こうして、沙月たちは仲直りをしたのだった。



そして、久しぶりに沙月は心が穏やかな朝を迎えた。

沙月は白地に赤や青の花柄の着物を着て、葉月は紺色の着物を着る。着替えた後、二人は一緒に朝食を食べた。

程よい甘さのだし巻き卵や、まるで芸術作品のような季節の野菜を使った料理が並べられている。

「いただきます!」

二人は同時に言う。それだけでも沙月は嬉しかった。葉月も、優しく微笑んでくれている。

沙月は、裁判の後ほとんどご飯を口にしていなかった。口にしても、おいしいとは思わなかった。しかし、今はとてもおいしく感じる。

沙月が食べていることに、侍女たちは安心したように微笑んでいた。



昨日、妖怪たちに「神様たちに合わせたい」と言われたため、沙月たちは準備をして町に出る。町にある高級旅館の一室で会う約束をした。

ヤマタノオロチを封印するために、三日で沙月と葉月は武術に優れた神様たちと旅に出る。その前に会って、どんな神様なのか沙月は見ておきたかったので、妖怪たちにそう言われた時は嬉しかった。