目に飛び込んでくる光に、沙月は一瞬目を閉じる。しかし、「沙月!!」という声に目を再び開けた。

法廷は、沙月もドラマなどで見たことがあるものだった。しかしーーー。

被告人席に葉月が座らされている。その手には手錠がかけられていた。葉月の両側には、背が高く屈強そうな男性が二人いて葉月を監視している。

「葉月!!」

沙月は葉月に近づこうとするが、イザナギや警護の者が沙月の腕を強く掴む。

「おい!!乱暴なことはよせ!!」

葉月が立ち上がると、「大人しくしろ!」と男性二人が無理やり葉月を座らせた。

沙月もイザナギの隣に座らされる。その時、悲しげな視線を誰かに向けられた。その視線の主を探して沙月は驚く。

「どうして!?どうしてみんなが……」

陪審員として、妖怪たちが席に座っていた。その近くにはスーも座っていた。いつもの変な服装ではなく、神様らしい豪華な着物を着ている。

この法廷には、多くの神々が裁判官や弁護士、傍聴人として集まっている。サシャとツキヤの起こしたことは、それだけ大きな出来事なのだ。