「……あの夢は……私たちの前世……だったってこと?」

沙月の体が小刻みに震える。男性がゆっくりと頷いた。

「そうだ…。罪を犯した愛しき娘と愚か者よ……」

突然、強い風が吹き始め、沙月は目を閉じる。風で吹き飛ばされそうになる体を、葉月が必死に抱きしめていてくれていた。

イザナギノミコト……日本を創った創造の神。全ての神々の始祖……。

沙月の意識は、そこで途切れた。