「頼む!」

葉月がそう言って、結界を張る。襲われている人々の守護霊に力を与え、保護する。

沙月はすぐに妖怪たちを召喚し、戦闘に混じる。朧と桜姫がいないことなんて、もう慣れてしまった。

「うっわ〜!ここどこだ!?」

はしゃぐひとめに、沙月が「京都だよ」と教える。教えないと、ひとめは怒って帰ってしまうからだ。面倒なことは避けたい。

「沙月!私が水で敵を怯ませる!」

「俺も手伝うぜ!」

水月と火影が同時に沙月を見つめる。沙月は「お願い!」と力強く微笑んだ。

水月の出した水と、火影の出した炎が混じっていく。それは、一つの大きな柱となり霊を飲み込んでいった。

「現世を彷徨いし哀れな魂たちよ、今この場所を常世の道にしようぞ…」

沙月が呪文を唱え、霊を成仏させていく。我を失っていた霊たちも、徐々に自分たちを取り戻し、沙月たちにお礼を言いながらあの世へ旅立つ。

「…あとはこの迷える子羊ちゃんたちだねぇ」

キングが守護霊に強く守られている人々を見つめる。人々の意識は今はない。体を完全に守護霊がコントロールしている。