「悪かったな」


あれから一週間後
慶太に誘われて、飲みに来ていた
珍しく"姫野も"と言われたが早苗は丁重?に断りりかちゃんと会うらしい


「誤解は溶けたのか?」

「あぁ、姫野にもお礼言っといて
あの、一発は効いた」

「だろうね」


笑っていると慶太がマジマジとこっちを見ていた


「なに?」

「いや、泰成変わったなと思って」

「そっくりそのまま返すよ」


慶太も笑って、"惚れた女には弱い男たちだ"とグラスを空にした

今までの恋愛とは違う
これが本気の恋愛なのだろう

自分がこんなにも好きになれる女に出会えるなんて
こんなに愛せるなんて

お互いバカが付くほどに彼女に惚れてる


惚れた方が負け


まさに、その通りだ


「ちゃんと、りかちゃんはわかってくれた?
慶太のくそ重たい愛情」

「重たい言うな、自覚あるんだから
でも、箍外れたわ」

「あー、」


言わんとすることがわかった
たぶん、俺と慶太の恋愛は似てる

昔から似てたわけではない
今の恋愛が似てるのだ


「りかに言われて言葉にした途端、理性吹っ飛んだ」


抑えが効かなくて
何度も抱いても足らない
欲しくて欲しくて仕方ない
そう言うことだ


「しつこすぎて嫌われないか心配だよ」

「それは、ないだろ
りかちゃんも慶太の事、ちゃんと好きなんだから」

「嫌われる前に、繋いどく」

「え?」

「プロポーズした、結婚する
もう、絶対逃がさない」


ぷっとまた、吹き出した
子供の様な慶太の発想


でも、


「慶太、おめでとう
結婚式にはちゃんと早苗を俺の婚約者として呼べよ」


いつか、慶太が言ってくれたから