「俺、彼女出来たなんて聞いてない
しかも、好きな女が居ることも知らなかったけど?」

「言ってないし」



そう言って笑う姿はいつもより更に男度が上がってる気がした

本気なのだろうか?


高校の時からモテていた泰成
でも、一途な男だった


高校の時から付き合っていた彼女、麻美とは大学に行ってからも付き合っていてこのまま結婚するのかと思うほどに一途だった


たぶん、泰成の初めての女だと思う

でも、2回生の時に麻美が浮気
どうしても許せなかった泰成は別れた
その時から泰成は変わった


女を信用せず、利用し始めた
所謂、セフレと呼ばれる女を何人も作った


名古屋では三人の女がいたはずだ
本社勤務になった時にきちんと手を切ったらしいが……


「本社では女はいらない」なんて言った泰成に
「そんな事言って、お前は人気でるし直ぐに女出来るんじゃね?」って言うと
「俺の肩書きに惚れる女だろ?」って寂しそうに笑ったのを覚えてる


その姿に麻美との別れをまだ引き摺っているのだと思った
端から見てもお似合いのカップルだったし、何年経ってもラブラブだったから



「お前のソレ、麻美との別れが原因?」


俺はその時初めて聞いた
何となく聞いてほしく無さそうで
直ぐにセフレを作って「やっと遊べるよ」なんて笑うから

ずっと、聞かずにいたけど