『やっとだな。これからは、必ずそう呼ぶこと』


『…はい、わかりました』


私は苦笑いしながら、返事をした。


本当に、強引なんだから…


一緒に朝ごはんを食べ、片付けて、そして出かける支度をして…


これから毎日こんな感じなんだ…


まだまだ私達の関係性もハッキリしないままで、不思議な感覚だけど…


でも…とても新鮮だ。


生まれて初めての体験。


『行くぞ、恭香』


一緒に部屋を出て、エレベーターで下に降りた。


いつものスーパーの横を通り、駅についた。


電車は、当たり前のように混雑している。


『毎日こんな感じですよ。めちゃくちゃ混んでますし、通勤大丈夫ですか?』


『電車大丈夫だって言っただろ。平気だから心配しなくていい』


私達は、しばらく電車に揺られ、会社のある駅に着いた。


そこからは、お互い離れて歩く。


まだ一緒に住んでることは…


誰にも内緒。


特に、一弥先輩には…