必死に訴えると、フッと笑いながら。


「仕方ないなあ。
これ以上いじめたら帆乃に嫌われちゃいそうだからここまでしよーか」


そう言うと、クローゼットから服を取り出して、渡してくれた。


「……まあ、それと僕の理性が死にかけてるし」


「……?」


だいぶ大きめのサイズの服で、着た瞬間、依生くんの香りに包まれて、それだけでドキッとする。


好きな人の服を着ると、まるで抱きしめられているみたいな感覚になって、ずっとこのままでいたいな…なんて思っちゃう。


「なんでニヤニヤしてるの?」


「え、わたしニヤニヤしてた?」


「うん、うれしそーな顔してる」


「だ、だって……依生くんの服着たら抱きしめられてるみたいで、ドキドキしちゃって」


好きな人の匂いって自然と好きになるし、安心するから。


依生くんの抱き枕あったらいいのになぁ……なんて、こんなこと思うわたしって相当依生くんがだいすきみたい。