「ん……飲めない」 わたしのやり方が下手なのか、水は口からこぼれてしまうばかりで、全然飲み込めない。 「のど……かわいて死にそう」 つらそうにしているので、早く飲ませてあげたいのは山々なんだけども……。 ストローか何かあればいいけど、そんなものはないし……。 「……帆乃が飲ませて」 腕をグイッと引かれた反動でイスから立ち上がり、顔が自然と依生くんに近づく。 そして、わたしの唇に指でそっと触れながら。 「……ここで」