あれから一ヶ月目の日曜。

この公園に貴女が来ることはなかった。

やっぱり、迷惑に思われたのかな。

それもそうか。

あんな、告白紛いのことを見ず知らずの男に言われたら、、、

しかも、失恋直後。

緑と花が咲き誇り、真ん中には小さな噴水。

大きな時計台もあって、この辺りでは人気の公園だ。

散歩仲間もいる。

これまでずっと通いつめていた公園で、まさか失恋現場に出くわすなんて思ってもみなかった。

どうして、ここだったんだろう

でも、ここじゃなければ貴女に出会うことは、僕の人生の中であり得なかったはず。

そう思えば、この出会いも何かの縁だったに相違ない

入り口近くのベンチに腰掛け、リードをくくりつけた。

あと少し待とう。

それで来なかったら、今日は諦めよう。

もし、来たら、、、

来たら、そのときは、、、



「こんにちは。」



瞬間、僕と貴女の間に風が吹き抜けた。