そうはいったけれど、きっと今まで母さんが関係をもっていた男のうちの一人なんだろう。 でも、そんなの誰かなんていちいち知らないし、そんなやつに殺されるなんてなんて。 「はは、ばかばかしい」 「龍希くん?」 「あんなやつ、母さんでもなんでもなかった。死んでくれてよかった」 パチン すごい音とともに右頬がじんじんして、ああ、ぶたれたんだとわかった。 俺をぶった張本人であるおばさんは静かに泣いていた。 なのに、俺は全然泣けなかった。