次の日、姉さんの呼吸は浅くなっていた。
目を開ける事は無くて、ただただ浅い呼吸だけが部屋の中に響いている。
藍は、そんな姿を見るのが辛いのか姉さんの部屋に近づかなかった。
でも、今日は珍しく藍は姉さんの部屋に入った。
耳を澄ますと聞こえるのは、泣き声だった。
多分、藍も分かっている。
「蓮お姉ちゃん。」藍のか細い声が姉さんの呼吸と一緒に響いている。

その日の夜。姉さんは、天国へ旅立った。
丁度、日付けが変わった時だった。