あたしは右手を伸ばし、お札を手に取った。


「どうせ誰も使わないんだろうから、あたしがもらってもいいよね?」


誰もいないのに、そう呟く。


「今度、ちゃんと参拝しに来るから」


あたしはそう言い、お札を鞄に入れたのだった。