あたしは、それらをすべて床に並べて行き、ひとまずリュックの中を空にした。


大きさを確認し、道具の中かあらロープを選んでリュックに入れ直した。


軽くなったリュックを片手に、文芸部の部室へと走る。


誰もいない廊下に、自分の足音がやけに大きく響き渡った。


全身に汗をかいていて気持ちわるけれど、それを気にしている余裕もない。


部室のドアを大きく開くと、2人が一瞬驚いた顔をこちらへ向けて、あたしだとわかると安堵したように表情を緩めた。


「これに入るかな?」


あたしはそう言い、リュックと和人へ渡した。


「登山部か……。たぶん、入ると思うけど……」


そこまで言って、あたしを見上げる和人。


なにが入るのか、すでに理解しているはずだ。


「おい、なにする気だよ」


青ざめた修人が聞いてくる


普段口が悪いくせに、こういう場面になると腰が引けてしまっている。


でも、死体を運ぶためには男手が必要だった。