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咲紀はあたしたちに復讐したかったのだろうか。


ベッドの上、あたしはぼんやりとそんなことを考えていた。


あれから日記の続きを読むことはできていなかったが、イジメに加担していたメンバーたちが次々と不幸な目に遭っている内容なのは、なんとなく想像できていた。


咲紀はそうやってストレスを吐き出していたのかもしれない。


そんなの誰にだってあることだった。


あたしだって、現実世界で嫌な事があると、小説に逃げたりする。


それと同じことだった。


でも……。


咲紀の日記はどこか違う気がしていた。


日記に強い怨念が籠っているような気がする。


思い出しただけで寒気がして、ブルリと震えた。


「あれだけイジメてたんだから、当たり前だよね」


あたしは自分自身に言い聞かせるように、そう言ったのだった。