そうかもしれない。


だけど、家の中に入るのが問題だった。


さすがに鍵はかけて外出するだろう。


「鍵なら俺がなんとかする」


そう言ったのは和人だった。


「なんとかって、どうするつもり?」


そう聞くと「俺の親父、個人でセキュリティ会社を運営してるんだ。顧客の家の合鍵は必須だ」と、和人は言う。


「まかさ、咲紀の家の鍵もあるの?」


「そういうこと。咲紀の家は資産家だから、セキュリティ面でもしっかりしてる」


それなら簡単に家に侵入できそうだ。


「これであたしたちと咲紀の自殺は完全に切り離すことができるね」


あたしはそう言い、ニヤリと笑ったのだった。