あたしが咲紀に吐いて来た暴言も、咲紀の心の突き刺さったのだろう。


それは抜けることなく刺さり続け、咲紀の限界を超えてしまった。


だからこそ、咲紀は言葉の呪いを残したのだ。


言葉は人を殺す狂気になる。


それを、あたしに教えるために……。


パァー!と音がして、あたしは我に返って立ち止まった。


今日の出来事や咲紀のことを思い出してボーっとしていたため、気が付けば横断歩道の真ん中に立っていた。


信号機は赤になっている。


「あ……」


渡るか、戻るかしないと。


そう思うのに、あたしの足は一歩も動かない。