「和人、ちょっと書店に行かない?」


あたしはそう言い立ち上がった。


「書店?」


「そう。本当は図書館がいいけど、ちょっと遠いから」


図書館まで行くにはバスに乗らないといけない。


だけど、書店までなら歩いて3分ほどの距離だった。


できるだけ時間を使いたくないし、バスなど人が多い乗り物に乗るのも嫌だった。


「いいけど、どうして?」


「咲紀が読んでいた本を探すの。その中にきっとなにかヒントがある」