そのままグッと引き寄せられて、頭まで川に使ってしまう。


バシャンッと激しい水音を立てながら、あたしは必死に水面に顔を出そうとした。


けれど、足を引っ張るソレが許さない。


両手をばたつかせながら水中に目を凝らすと、2つの目と視線があった。


驚きのあまりハッとして、ガボガボと空気が口から抜けていく。


空気を吸い込もうとした口の中に水が大量に入り込んで来た。


咲紀……!


あたしの足首を掴み、引っ張っているのは間違いなく咲紀だった。


咲紀は無表情でこちらを見つめ、あたしを溺れさせようとしている。


和人と修人の2人が異変に気が付いて、こちらへ向かってくるのがわかった。


けれど息を止めるのも限界で、何度も何度も空気を吐き出してしまう。


その度に体内の酸素は失われ、苦しさが加速していく。


そんな中だった。