夜の川は想像以上に冷たくて、足を付けた瞬間身震いをした。


でも、そんなことを気にしている暇はない。


今はあの日記を見つけ出して、次の未来を確認しなきゃいけなかった。


そして、変えるのだ。


これ以上悪くならないように、自分たちの手で。


両手を川に入れて探るように日記を探す。


冷たい川の流れによって、体温が徐々に奪われて行くのを感じる。


手に何かが揺れたと思って引き揚げて見ても、それは投げ捨てられたゴミだったり、絡み付いた藻だったりした。


「あったか?」


修人のそんな声にも「ない」と、返事をするしかない。


30分ほど両手をつけたまま探していた時だった。


不意に足元が深くなり、あたしは胸まで浸かってしまった。


「おい、大丈夫か?」


和人の声に答えようとしたとき、何かがあたしの足に絡み付いていた。