「2人とも……どうして?」


「事件を知って愛菜のことを探してたんだ」


修人の言葉に、2人からも何度も電話が入っていたことを思い出した。


もちろん、取ったりはできなかったけれど。


「生きててよかった」


和人がホッとしたように呟く。


あたしはその言葉を敏感に聞き取った。


「なにそれ、どういう意味?」


そう聞くと、和人はバツが悪そうに一旦あたしから視線を逸らせた。


「こんな状況で隠してても仕方ないよな。俺も読んだんだ、咲紀の日記を」


和人の言葉にあたしは目を見開いた。


「読んだって、いつ!?」


「愛奈がトイレに行ってる隙に、少しだけ。偶然健太郎と絞め殺すって書かれてるシーンを読んでだんだ。だから今回の事件が起こって驚いたよ。咲紀が書いたことが、そのまま現実になってるんだから」