「人を殺しておいて、許して? 笑わせないでよ」


明日香はケラケラと笑い声をあげ、あたしの首を締め上げる。


呼吸が止まり、体中の血が沸騰するように熱を帯びた。


「や……めて……」


明日香はあたしを見て笑っている。


あたしが苦しむのを見て、心底楽しそうな笑い声を上げている。


ダメだ。


このままじゃ殺されてしまう……!!


そう思った時、あたしは両手を明日香の首にかけていた。


こんなところで死ぬもんか。


悪霊なんて嘘だ。


自分の心が見せている幻覚だ。


負けるもんか……!