そう聞くと、佑里香の表情がパッと明るくなった。


「うん! ハンバーグを作ったらすごく喜ばれたよ」


嬉しそうな笑顔を浮かべてそう言う佑里香。


「良かったじゃん! 確か、ウサギが言ってたのもハンバーグだったよね?」


「うん、そうだったね……」


あたしの言葉に佑里香はふくざつな表情になってしまった。


アプリを怖いと感じながらも、自分も頼ってしまったことを気にしているのかもしれない。


「へぇ、よかったね。弟、喜んでくれたんだ」


沙月の言葉に「うん」と、佑里香は頷く。


「やっぱりさ、このアプリは使い方を間違えなければ人生上手く行くようにできてるんだね」


美世がそう言うので、あたしは大きく頷いた。


「あたしもそう思う」


昨日はクロの個人情報を流してしまったけれど、それはクロが人を叩くばかりしていたからだ。


個人情報を流出されたことでクロ自身が大人しくなるなら、それはそれでいいことだった。


クロの被害者が減る事になるんだから。


そう考えると、あたしは良い事をした気分にすらなったのだった。