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教室へ戻って焼きそばパンにかぶりつくと、それはまだ暖かくて口の中一杯にうまみが広がった。


「う~ん、美味しい!」


甘い味のソースは市販のものではなさそうだし、意外と凝っているのかもしれない。


「あたしにもひと口ちょうだい!」


あたしがあまりにも美味しそうな顔で食べていたからか、佑里香がそう言って来た。


「どう?」


「すんごい美味しい! あたしも今度買って見なきゃ」


焼きそばパンとひと口頬張り、佑里香は言う。


「さっき聞いたけど、焼きそばパンって購買の新商品だったみたいだよ」


お弁当のご飯を口に運びながら美世が言う。


「そうなんだ?」


「うん。これだけ美味しいんだから今度からは取り合いになるかもね」


佑里香の言葉にあたしは頷いた。


今はまだ浸透していないから売れ残っていただけなのかもしれない。


だとしたら本当にラッキーだった。