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結局、あたしたち3人は何の買い物もすることなく、家に戻ることになってしまった。


しかし買い物ができなかったことよりも、火事や爆発の方がショックが大きくてしばらく頭の中が真っ白になったくらいだ。


「ただいま」


そう声をかけて玄関を上がり、早足にリビングへと向かう。


「おかえり。見てこのニュース。学校の近くの駅のことじゃない?」


ソファに座ってテレビ画面を食い入るように見つめ、そういうお母さん。


画面にはついさっき巻き込まれかけた火事の様子が映し出されている。


「これ! あたし目の前のビルにいたの!」


あたしは画面を指さしてそう言った。


「冗談でしょう?」


そう聞きながら目を丸くしているお母さん。


あたしは隣に座り、放課後の出来事を説明した。


「あの時駅に遊びに行ってたら、巻き込まれてたかも」


そう呟いた後、ゾッと背筋が寒くなった。


間一髪で怪我もなく戻って来られたけれど、運が悪ければ死んでいたかもしれないのだ。