《ボクのことは、消せないよ?》


再び聞こえて来た声。


気のせいなんかじゃない!


その声はあたしのスカートのポケットから聞こえてきていた。


あたしはそっと右手をポケットへと入れた。


すぐに、馴れた感触のスマホが当たる。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、それを握りしめた。


どうか、間違いであって。


こんなこと、あり得ないんだから……!


勢いよくスマホを取り出し、画面を確認した。


そこにはニタリと笑うウサギがいたのだった……。