「麗衣だってもう抜け出せないよ? アプリを消すこともできないんだから」


「そうだけど、でも……」


どうにか反論しようとした時、卓治と成仁の2人が同時に崩れ落ちていた。


2人とも立ち上がるためにもがいているが、足があらぬ方向を向いてしまっている。


「誰か、救急車を呼んで!」


集まってきていた生徒の1人がそう叫び、周囲は物々しい雰囲気に包まれて行ったのだった。