離れた場所からでもそれは卓治と成仁の2人だと、すぐにわかった。


2人とも足に包帯を巻いたまま走っている。


「なにあれ。なんであんなことしてるの?」


誰かが焦った声でそう言った。


2人とも怪我はまだ完治していない。


しかし、松葉づえも使わずに無理矢理足を使っているのがわかった。


異様な光景の2人を見ていると、卓治の方が途中でこけるのが見えた。


怪我をしている方の足を抱きかかえうずくまって起き上がれない状態だ。


「行ってみよう」


あたしはそう言い、教室を出たのだった。