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それから、あたしは自分でアプリを消そうと何度か試みてみたけれど、やはり前回と同じような気分の悪さに襲われて消すことができなかった。


それどころか、消してしまうことに強い恐怖心を抱き始めていたのだ。


アプリを画面上から消したって、またインストールすればいい。


頭では理解しているのに、体が付いて行かなくなっていた。


「無理はしない方がいいのかもね」


そんな様子のあたしを見て美世が言った。


「うん……」


「そういえば、佑里香はどうなんだろう?」


美世はそう言い、教室内を見回した。


佑里香は窓際に近づいて外を見ている。


「おい! ちょっと見てみろよ!」


佑里香と同じように窓の外を見ていた男子生徒が声を上げた。


「なんだろう?」


首を傾げつつ窓へと近づいて行くと、グラウンドでサッカーをしている2人組が見えた。