何度もあたしたちに警告を鳴らしてくれていた。


「でも……それだとおかしいじゃん」


「おかしいって、なにが?」


「沙月はあたしたちより前にアプリを使ってたよね? それなのに、沙月は平気そうじゃない?」


そう言い、すでに登校して来ている沙月へ視線を向けた。


今日も数人の男子生徒たちと楽しそうにおしゃべりをしている。


「そう言えば……」


美世は小さな声でそう呟いた。


「でしょ? あたしたちは沙月にアプリを教えてもらってから使いはじめたんだよ?」


もしもこのアプリに洗脳効果などがあるなら、沙月こそ頻繁にアプリを利用しているはずだ。


でも、最近使っている様子はない。


「あたしみたいにすぐに消したのかもしれない」


美世が思いついたようにそう言った。


「え?」


「あのアプリには洗脳効果がある。だけど、あたしみたいに体に合わない時があるのかも。沙月の場合も同じで、早い段階でアプリを消したとか」


美世の言っていることが正しければ、沙月がアプリを使っていないもの納得できた。