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あたしを呼ぶ声で目が覚めた。


まだ意識は朦朧としていて、ここがどこだかわからない。


けれどあたしを呼ぶ2つの声にはちゃんと聞き覚えがあった。


「美世……佑里香……?」


あたしは掠れた声で2人の名前を呼ぶ。


すると、2人があたしの視界の中へと入って来た。


場所を移動してくれたみたいだ。


「麗衣! 良かった目が覚めて!」


美世が泣き顔でそう言って来たので、あたしは首をかしげた。


でも、目覚めたばかりで上手く動くことができない。


瞬きをして周囲を確認してみると、どうやら病院であることがわかった。


あたしの腕には点滴の針が刺さっている。


「傷が少しだったから、すぐに目を開けれたんだよ?」


そう言う美世にあたしはまた首を傾げる。


傷……?