疑問を感じた時、机の上にあるペン立てに視線をやった。


そこには普段使っているハサミが置かれている。


「まさか、ハサミで……?」


《ちゃんと消毒すれば大丈夫!》


ウサギの言葉にあたしはゴクリと唾を飲み込んで机へと近づいた。


ハサミで目の端を切るなんて、そんなことできるわけがなかった。


でも、これをすればきっとあたしは可愛くなる。


沙月に負けないくらいになって、昌一と付き合うことができる。


次第に、あたしの頭の中は昌一と付き合うこと一色に染まっていく。


「これを使えば……」


そう呟き、まるで誰かに操られているようにハサミを手にした。


鏡の前に立ち、刃を自分へと向ける。


恐怖心はなかった。


それよりも早く整形したいという気持ちが大きく膨らんで行く。


きっと大丈夫だよね。