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その日の夜体重を計ってみると見事3キロ減に成功していた。


水分以外とっていないのだから当たり前なのだけれど、あたしはその数字を見て天にも昇るような気分だった。


これで一歩昌一に近づいたことになる!


鼻歌を歌いながらキッチンへ向かうと、お母さんが明日のお弁当の下ごしらえをしているところだった。


甘い玉子焼きのいい香りがしてきてお腹が鳴った。


ダイエットは成功したし、もう食べていいんだよね?


ゴクリと唾を飲み込んで料理中のお母さんへ近づいて行く。


「どうしたの?」


「玉子焼き、美味しそうだなって思って」


「1つ食べる?」


そう言い、焼き立ての玉子焼きをお皿に乗せてくれた。


途端に空腹感が押し寄せてきてあたしはアツアツの玉子焼きを手でつかみ、そのまま口に放り込んでいた。


甘く味付けされた玉子が口の中一杯に広がって行く。