浩哉と想の葬儀は同じ式場で、まとめて行われることになった。


2人からしたらいい迷惑だろう。


けれど世間では浩哉と想の2人は仲が良く、じゃれ合っている間に謝って殺してしまったという事になっていた。


浩哉はその罪の意識からの自殺。


絶対に違うということは学校関係者なら全員わかっているはずなのに、それを正そうとする大人は誰1人としていなかった。


きっと、大きな権力者がいるのだろう。


そのお蔭で、学校に集まるマスコミの数は少なくて済んでいるのは、あたしたちにとっても好都合だった。


A組の生徒たちは全員が参列したけれど、その中で泣いている生徒は1人もいなかった。


それところか、隙を見つけてはスマホを取り出しお役立ちアプリを起動している生徒が大半だった。


葬儀場での礼儀から始まり、全く関係のない質問をする生徒も沢山いた。


「やっと終わったね」


葬儀会場から学校へと戻って来ると、どっと疲れが押し寄せて来た。


慣れない緊張感の中にいたからだ。