次に美世が視線を向けたのは沙月の机だった。


沙月の机の周りには沢山の男子生徒たちが集まっていて、それぞれ手にはプレゼントを持っている。


アプリに質問をして、プレゼントを用意するように言われたのかもしれない。


「沙月は美人だもん。アプリがなくたってああなることは予測できたよ?」


「本当にそう思ってる? アプリを使う前はあんな風に積極的になる生徒はいなかったじゃん」


あたしの言葉に美世は顔をしかめてそう言った。


確かに美世の言う通り、アプリが広まる前はみんなあ遠くから沙月の事をみているだけだった。


「言いじゃん別に。人を好きになることは悪いことじゃないんだから」


そういう風にアプリを擁護していると、だんだんと体調がよくなってくるのを感じた。


美世は目を丸くしてあたしを見ている。


あたし、なにか変な事言った?