カノンの葬儀は静かに終わって行った。


学校内の事故だったこともあり、もっと大々的にマスコミ等が駆けつけるかと思っていたが、そうはならなかった。


カノンの両親が事故を隠したがっているという噂だけが、聞こえて来た。


「カノン、家庭内でもかなり派手なことしてたみたいだね」


昼休憩中、美世がそう言った。


「そうなんだ?」


カノンのことは学校内以外でなにも知らない。


「うん。近所からの評判も悪くて、カノンの扱いに困ってたみたい」


美世の言葉に佑里香はニコッと笑顔になった。


「それなら邪魔者がいなくなって良かったんだね」


佑里香の言い方に吹き出してしまいそうになる。


アプリに肯定的になってから、佑里香の性格が変わって来たような気がする。


「イジメがあったかどうかとか、調査されてないしね」


あたしはそう言った。


カノンの髪の毛が切られていた原因なども、今のところ調べられていなかった。


両親が学校内での調査を拒否したためだった。