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女子寮に戻ったあたしたちは談話室へと急いだ。


畠平さんは学校から戻るとここにいることが多い。


しかし、今日談話室にその姿はなかった。


「自分の部屋じゃない?」


渚にそう言われて「そうかも」と、返事をし、あたしたちは畠平さんの部屋へと急いだ。


女子寮の一部屋は四畳半と狭いけれど、その代わり全員に一部屋ずつ与えられていた。


これから生徒が増えていけばそれも変わりそうだけれど。


畠平さんの部屋の前まで来て、あたしは軽くノックをした。


しかし、中から返事はない。


部屋にいないのか、もしくはイヤホンで音楽でも聴いているのかもしれない。


「畠平さん、いるの?」


少し大きな声でそう言うと、中からごとごとと音が聞こえて来た。


どうやら中にいるみたいだ。


やがて「はい」と、小さな声と共に畠平さんがドアを開けてくれた。