そう思って自然と笑顔が浮かんできた、次の瞬間だった。


突然崖の上から眩しい光があたしと克己を包み込んでいた。


ハッと息を飲んで見上げると、誰かがライトであたしたちを照らし出しているのが見えた。


「真奈美、早く来るんだ!」


克己が叫ぶ。


焦ったあたしは弱い石の上に足を下ろしてしまった。


ぐらついていた石はあたしの体重を支えることなく落下していく。


あたしは両手でどうにか踏ん張り、落ちないですんだ。


「くそっ」


克己が舌打ちをするのが聞こえて来た。


克己1人だったら、今頃島から見えないところまで逃げていたかもしれないのに!


「お前らのメッセージはこちらに筒抜けた」


ライトを持った人物が冷静な声でそう言った。


その声は……田中先生だ。