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畠平さんから聞いた話だと、幸いにも和重は生きていたらしい。


しかし体中食いちぎられた跡があり、すぐに学校へ復帰することはできないようだ。


治療は寮内に隣接して建てられている医療棟で行われるらしく、島外へ出ることはできないと聞いた。


完全な監視状態であることが、今回のことでよく理解できた。


「明日も同じことが起こるのかな……」


寮へ戻って談話室にいた時、渚が疲れた声でそう呟いた。


美文に教えてもらいながら勉強をしていたあたしは手を止めて、渚を見た。


渚も一緒に勉強をしていたのだけれど、その手は全然動いていない。


「きっと大丈夫だよ」


今はそう答えるしかなかった。


明日もイジメ.COMからの命令が届いて、それを遂行しなければ罰が下る。


そうとわかっていても、友達の不安をあおりたくなかった。


「そうだよ。みんなで勉強して成績がよくなれば、先生たちだってきっと考え直してくれるって!」


美文も必死で渚を説得している。