「あたしたちがこの学校に選ばれた理由って、先生が言っていた通りクズだかたなのかな」


美文が震える声でそう言った。


否定したい気持ちはあったけれど、何とも言えない。


現に生徒が1人死んでいるのに誰も動こうとしないのだ。


ここに集められてきた生徒たちは、死んでもいいと思われているのかもしれない。


「それなら、今からでも勉強を頑張ればいいんじゃない?」


渚が閃いたようにそう言った。


「え?」


あたしは驚いて渚を見る。


渚はまだ青い顔をしているけれど、その目は輝いていた。


「だって、クズだから集められたなら、優秀な生徒になればいいんじゃん!」


それは安直な考え方だった。


勉強をしただけでこの状況が変わるなんて思えない。


だけど、高校入学と同時に真面目になろうと考えていたあたしと共通する部分があるように感じられた。