麻子ちゃんの言う通り法律を覆す力があるかもしれないと、あたしたちで証明したようなものだった。


それに、今回の結果を見た生徒たちは相手を殺しても大丈夫だと理解してしまう。


その上成績も上がるとなれば、これから先どうなっていくか考えなくてもわかった。


「どうしよう、あたしたち最悪なことをしちゃったのかも……」


「今更そんなこと言っても仕方ないよ。もう終わった事なんだから」


美文はそう言いながらも青ざめた顔をしている。


常に自分がいじめる側に選ばれるのなら問題ないが、いつイジメられる側になるかわからない。


そうなったときに、どんな目に遭うかわからなかった。


あたしは自分の頭をかきむしりたい衝動に駆られた。


美文のスマホを固定したまま動画撮影を続けていたから、あたしが加担したことはもうみんなにバレているはずだ。


あたしがイジメられる側になったとき、相手がどんな行動にでるか……。


「悩んでても仕方ないよ。今は強くならなきゃ」


麻子ちゃんがそう言った時だった。


あたしのスマホが震えてビクリと体を震わせた。