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1組の担任は田中という苗字の平凡な男性教師だった。


40代前半でひょろりと細く、銀縁の眼鏡をかけている。


印象に薄い先生で、どこにでもいそうな感じだった。


そんな田中先生が教卓に立った時、1組の生徒たちは自然と私語をやめた。


さすがに入学1日目ということでみんな大人しい。


この中から何人かの生徒は徐々に派手になって来て、田中先生の言う事も聞かなくなっていくのだろう。


そんな事を考えながら、クラス全員の自己紹介を聞く。


1度聞いたからって全員分の顔と名前を覚えられるわけじゃないから、あたしたちの右胸にはネームが付けられていた。


当分はそれを確認しながら会話することになるだろう。


「さて、ここからの話は重要だからよく聞くように!」


自己紹介中に再び私語が聞こえ始めていた教室内に田中先生の声が響く。


見た目に反して結構大きな声が出るみたいだ。